熱中症を予防するためには、起きやすい場所や状況をよく理解しておく必要がある。熱中症対策と聞いた時、多くの人が屋外や運動時を思い浮かべるだろう。しかし、熱中症は屋外だけのものに限らないのだ。熱中症が起きやすい環境には、高温多湿・強い日差し・照り返し・弱風や急に熱くなった日の他、熱気のこもった室内やエアコンのない部屋なども挙げられる。このように、室内でも熱中症が起こる可能性は充分に考えられるのだ。また、高齢者や乳幼児、持病や肥満の他、二日酔いや寝不足など体調が万全ではない人も気をつける必要がある。乳幼児は体温調整機能が充分に発達していないため、熱中症になりやすいといわれている。そのため、周りの大人が注意して見てあげなければならない。一方高齢者は、老化により暑さや喉の渇きを感じにくくなっていて、気づいた時には症状がかなり進行している場合がある。また、高齢で農作業をする人は、気づかないうちに脱水症状になり、熱中症にかかっているケースも多くみられる。こまめな水分補給と休憩をとるよう気を付ける必要があるだろう。
また、最近ではマスクによって熱中症が引き起こされるケースも増えている。なぜならマスクをつけると、マスク内の湿気により喉が渇きにくくなり脱水症状を起こしやすい状態となってしまうからだ。厚生労働省も、屋外で人との距離が充分確保できている場合には、マスクを外すよう推進している。どうしてもマスクを着用しなければならない場合はこまめに水分補給をし、体に負荷のかかる作業は避けるようにしよう。熱中症は正しい知識と対策により、避けることができる病気だ。自分は大丈夫だと油断せず予防を怠らず、周りにも気を配って熱中症対策を行っていこう。